【ドイツからみる日本】日本人は集団になるとエチケットレベルが低下する!?【体験談より】

テレビやYouTubeで外国人に日本人のイメージをインタビューしているのを見ることが時々あります。多い回答は、日本人は、礼儀正しい、真面目、時間厳守のようです。

ワタクシ、ソラ、語学学校にドイツ語を習いに行っています。クラスメートが持つ日本人のイメージも同様でした。

でも、本当に日本人はいつも礼儀正しいのでしょうか。エチケットを守っているのでしょうか。

私が思うに、日本人って集団だと礼儀正しさ、そうエチケットレベルが低下するように感じています。

あの人もしたからいいか。たくさん人がいるから私くらいは見つからない。

よいことにせよ、悪いことにせよ、日本人の集団だとやれちゃうって意識

それをいつ感じたかといいますと…

私の住む街はそれほどでもないけど、日本人はいて、特に、私が日本茶屋を開けていた一年の間には日本人もお店に顔を出してくれました。

そんな中で、これはエチケットに反するのでは?と思ったことがありました。

えっ、アナタ、ひとりだったら、日本にいたら、そうじゃないでしょって行動。ひとりで、日本で、守っていることは、ドイツでも、集団でも、守らないとダメじゃないかしら。

特に、これから、ドイツで、海外で、生活する予定があるなら、これは知っておいてほしいと強く感じたことだったので、今回の話題にしようと決めました。

【ドイツ体験談より】この日、お店で起こったことの一部始終

最初に、この日、起こったことの一部始終を私にお話しさせてください。これを読んだ後、あなたはどう感じるでしょうか。

この日は、午後1時からお店に予約が入っていました。日本人の方からの予約で10名とのことでした。

私が日本茶屋を始めたばかりのころです。それで、大人数の予約は取らないようにしていました。10人でランチタイムではないから問題ないと予測し、予約を受けました。

当日になりました。午後1時少し前から、予約のお客様が顔を見せ始めました。店に入ってくるお客様に予約のお客様か確認し、席へご案内しました。

そろそろ10人くらいかと思い、オーダーを取ろうとしましたら、またひとり、さらにひとりとお客様が来店されます。話を聞くと予約のお客様なのです。

私は、「あれ、予約の10名はすでに超えているんですが。」と幹事さんにいいました。幹事さんも予想外の展開のようでした。

気になりながらも追加が2名くらいならいいかと追加のテーブル席を準備し、ご案内しました。

しかし、そこで止まらず、最終的には、30名ほどになってしまいました。お店の中は満員です。

そうなった理由は、幹事が声をかけた人がさらに知人に声をかけ、また声をかけて、参加者が膨れ上がっていったと後で分かりました。

私は約30人ものお客様が一度に来店することを想定しておらず、席の予約だけを受けていました。

注文を取ったとき、お客様の注文はバラバラでした。10名だからと受けた予約でしたが、一度に30人ほどになってしまったので、私はとても焦ったことを覚えています。

そのとき、お店には夫と私のふたりだけでした。時間はかかりましたが、なんとか全部のオーダーを出し終えました。

それから、その日本人30人は、結果的に午後5時まで4時間ほど居座ったことになりました。

午後5時になったとき、私は、「オーダーも無いようですので、そろそろお開きにされませんか。」と日本語で伝えました。私がそう告げなければ、もっと長居されたと思います。

その間に、ときどきオーダーしてくれたお客様もおられましたが、最初に座ってドリンクを1つ注文し、その後、注文なしのお客様もおられました。

また、ドイツはチップを払う文化が根付いています。それにも関わらず、チップを払われないお客様もおられました。

これが、この日の一部始終です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

どのように感じましたか?

日本人は集団になるとエチケットレベルが低下すると感じた行動

この日の日本人の言動から知ったことを一言で表すと、‘日本人は集団になるとエチケットレベルが低下する’ということです。

お店側に非がまったくないわけとはいいません。私がこのことがきっかけで反省したことがたくさんありました。これについては、別の機会にお話しさせていただければと思います。

エチケットとは、礼儀作法のことですよね。そして、私が思うに、エチケットには、相手に対する思いやりも含まれての行動って意味合いを強く感じています。

エチケットについて上記のように思っている私が、この‘日本人は集団になるとエチケットレベルが低下する’と感じた行動を掘り下げていきます。

ありえない行動① 予約は10人だったのに蓋を開けば30人集まった

今回の場面、日本の居酒屋で想像できますか。日本で、あなたが幹事だったら、お店には10人で予約しているのに、同日30人押し寄せるなんて状況にはしないでしょう。

混んでいるお店だったら席も確保できませんしね。

予約人数に変更があれば、前日までにお店に変更の連絡を入れるはずです。

日本のお店は、最近では、ドタキャンされないように、「当日の人数変更不可」あるいは、「予約のお客様はコース料理を必ず注文する」などの条件が予約には付けられていたりします。

私はお店を開店したばかりで、自分の力量を知っていたので、10人ということで予約をお引き受けしました。

お客様がたくさん入るのは本来なら嬉しいことではありますが、一度に大人数のお客様が入られると、お客様を待たせてしまう可能性があり、お客様にご迷惑をおかけすることになります。それを避けるために予約人数を確認しているのです。

20人、30人と増え続ける前に、お店の方から、「これ以上は他のお客様のご迷惑になるため、ご遠慮下さい。」と直ぐに私が言えばよかったのです。

ただ、日本人は、日本にいるとき、このようなことをしないと思います。少なくとも、私が約25年日本に住んでいたとき、このような事態をみたことも聞いたこともありません。

幹事は、集まる人数を正確に把握するし、もし、大人数でお店へ行くなら、事前にお店に入れるか確認するはずです。

幹事だけを責めるつもりはありません。ただ、幹事が誰かも分からない集まりにふらっと参加しますかね。

この集団の中のひとりが少しお店や遠くから来られるお客様のことを思いやってくれていれば、集団でいても、私のお店で起こったようなことはなかったはずです。

他のお店ではやってほしくありません。ひとりひとりに気を付けてほしいと思いました。

ありえない行動② オーダーなしで4時間居座られた

ミスドやスタバは分かりませんが、日本では、カフェやレストランや居酒屋で、最初のオーダーだけで、しかも、ドリンクオーダーのみで4時間座ってられますか?

ひとりでも、日本でも、できる!と答えた方、神経相当図太いです。でも、多くの日本人はこの行動、集団ではできてもひとりできないかもじゃないでしょうか。

30人もいるから、集団だから、オーダーしていないことが分かりにくいからできることだと思うのです。

長居されることを責めているのではありません。長居されるなら、コンスタントにオーダーしていただかないとお店としては困るわけです。ボランティアではないのです。

それなら、積極的に注文を取りに行けばいいのではと思われる方もいるでしょう。それに間違いはありませんが、そうお店からいわれる前に、お客様の方から注文するくらいの気遣いが、同じ日本人として日本人のお客様にほしかったとそのときは感じました。

先にも書きましたが、この集団の中のひとりが少しお店や他のお客様のことを思いやってくれていれば、集団でいても、私のお店で起こったようなことはなかったはずです。

私のお店に来られた日本人以外はお客様が長居しないとはいいません。しかし、最初のオーダー後、一時間ほどで席を立たれるか、長居したければ、その後、またオーダーしてくださっていました。

お店で飲んだり、食べたりするときは、これがエチケットであり、暗黙のルールみたいなものです。

あのとき、参加していた日本人も気が付いていたはずなのです。大人数なので、自分だけ注文しなくても目立たないという意識があったのではないでしょうか。集団を隠れみのにしてはいけません。

お客様もそうですが、お店の人もお客様がお帰りになった後も、お互いが気持ちよく感じられるように、ほんの少しの気遣いを、ドイツに限らず、海外へ出掛けられる日本人にはお願いしたいです。

以下、余談。この日は、結果的に、30名の貸し切り状態になってしまったため、午後1時から午後5時の間、お店は席が空きませんでした。他のお客様には、お帰り頂くことになってしまいました。

後日、そのお客様から、「貸し切りなら貸し切りで先にSNSで通知してくれていれば、わざわざ遠くから来なかったのに。」と。

貸し切りだったのではなく、貸し切り状態に結果的になってしまったわけだったのですが、そんなことはせっかくきていただいたお客様には関係のないことなのです。

ドイツにいるならドイツの風習に合わせよう

最後にチップの話。

日本はチップを払う習慣はありませんよね。でも、ドイツはチップが要る国なのです。

多くのドイツ人が支払いをカードでしますが、飲食店の場合は、支払いの際にチップの額を上乗せして払ってくれました。

あの日、私のお店を予約したお客様はチップをくださったお客様もいたり、なかったりでした。チップを下さらなかった方の気持ちは、日本人経営のお店だから要らないかな、でしょうか。あるいは、お店のサービスがよくなかったとか。

その理由を聞くことはお店側からはできませんが、少なくともドイツにいるなら、ドイツを訪れるなら、チップの習慣があることを忘れないで下さいね。

それがドイツのエチケットです。チップは気持ちですから、たくさん払う必要はありません。ドイツでは、チップは5~10%程度といわれています。

ドイツに限らず、チップの習慣のある国は他にもあります。また、日本のようにチップの習慣のない国も。

外国を訪れるなら、その国に住む人もそこを訪れる人も気持ちよく過ごすためにも、チップに限らず、その国の習慣やマナーを守ってほしいと思います。

終わりに

いかがでしたか。

もちろん、私は、ひとりだろうが集団だろうが行動は同じ!と言い切れる人もいるでしょう。

今回の話は、私の体験談です。一個人として見解ですが、これを機会に考えてみてほしいのです。

日本茶屋のオーナーは日本人だし、異国で日本人が集まれば居心地もいいし、日本語で思う存分話せるし、それで、羽目を外したり、気が緩んでしまったりした結果、エチケットに注意が向かなかったのかもしれませんね。分からなくもありません。

しかし、それだからこそ、集団になったときに、特に、気を付けてほしいと思うのです。日本にいるときと同じように、海外にいてもエチケットを守って、お互い気持ちよい関係でいたいとは思いませんか?

チップのように、エチケットは国の文化や習慣で違うものもあるので、訪れた国の文化や風習を知り、それに従うこともまた、気持ちよい関係を維持するためには、大切なことだと思うのです。

私の体験談からの見解は、日本人のすべてが‘日本人は集団になるとエチケットレベルが低下する’といっているのではありません。

あなたはそうなってしまっていませんか? この機会に考えてみてほしいというのが今回の私の思いなのです。もちろん、私自身も気をつけたいことです。

今回もお付き合いいただきありがとうございました。

では、また。