日本に約50年住んだ後にドイツ移住したワタクシ、ソラ。
移住当初、ドイツはビールもワインも安くてHAPPY!だったのです。しかし、5年も経つと日本の食材が恋しい。
そもそも食材が手に入らない、値段が高すぎると自炊することすら難しいのです。
ドイツ在住5年で感じる私が恋しい日本の食材ベスト5とその理由について今回はお話しします。
恋しい日本の食材)第5位 薄切りの肉
日本のスーパーへ行けば必ず見かける薄切り肉。肉じゃが用、すき焼き用、しゃぶしゃぶ用、焼き肉用にと厚さもいろいろな薄切り肉を見かけますよね。
それって、普通って思っていませんか? 少なくとも私はドイツに住むまでそう思っていました。
上の写真のようにドイツでは厚切りステーキ肉は肉屋で手に入ります。でも、薄切り肉がある肉屋がないんです!
日本の企業が多いデュッセルドルフでは日本人向けに薄切り肉をおく肉屋があると聞いたことはあるのですが、私の住む街ではみたことがありません。
長くドイツに住んでいる日本人の方に尋ねたら、肉屋に出向くあるいは電話して、「牛肉1㎏を薄く切って下さい。」と言うとよいよとの情報を得ました。
薄く切るために、半冷凍の肉をスライスするとのことで、直接お店に出向いて伝えても、直ぐに対応してもらえないと言われました。
それで、日本人の知人に言われたように、前日に肉屋に出向いて、その旨伝えました。「豚肉1㎏を薄切りにして下さい。」と。でも、私にはそれは薄切り肉とは程遠い薄さでした。1㎝くらいありました。ま、肉じゃがに使いましたけど。
それで再び挑戦。「豚肉1㎏、2㎜厚でお願します。」と直接、肉屋に出向き、紙にも書いていき、それを渡しました。
ブラボー!!! 初めて薄切り肉が手に入りました。それがドイツに来て1年目のときでした。
肉じゃが用の薄切り肉は克服したもののすき焼きやしゃぶしゃぶ用だとさらに薄くないとおいしくないので、「牛肉1㎏、1㎜厚でお願いします。」と言いましたら、2㎜が限界だと言われてしまいました。
最初は、それで我慢していたのですが、半年ほど前にアジアの食材を取り扱っているお店の冷凍食品コーナーで超薄切り肉を発見したのです。牛、豚、羊の三種類が超薄切り。
すきやきするときはこのスーパー薄切り肉を買っています。これです。1パック400g入りで6.99Euroです。
日本で買える霜降りの薄切り牛肉には足元にも及びませんが、贅沢を言い出したらキリがないので、夫も納得しましたし、現状はこれでよしとしています。
ちなみに、最近、スーパーでやっと鶏肉のひき肉が販売され始めました。それまでは、これも肉屋にリクエストしなければいけませんでした。
それまでは売ってなかったのです。牛肉、豚肉、牛と豚のあいびきはあったけど。ドイツの肉屋も進化してる。HAPPY!
恋しい日本の食材)第4位 米
米はアジア食材店で買うことができます。でも、なんだかぱさぱさしています。
ドイツでは、中国米、タイ米、インド米などいろいろな米が買えます。私は、ちゃんと寿司用って書いてある米を買っているんですけど。なんかなぁ~
毎回、同じの買っているわけじゃなくて、それほど高くなく、それほど安くなくってレベルの10㎏パック。
私は米どころ出身なので、米にはうるさいかもしれん。だからといって、「こしひかり」レベルを求めているわけではありません。日本って、標準米でもおいしいと思うんですよ。
ドイツで買った米でおにぎりを作ってもなんだか乾燥しているおにぎりって感じになります。ふっくらしたご飯たべたいなぁ
ドイツでおいしいお米を食べたいなら、もっとお金を出さなきゃいけないってことですかねぇ
打首獄門同好会の皆さんも言ってらっしゃいます。
これ、納得ですわ。
恋しい日本の食材)第3位 海藻
ドイツ人はもともと海藻を食べる文化はなかったようです。しかし、今はアジアの料理が市民権を得ていて、特に、中華料理はドイツでも人気です。
それ故に、海藻を食べる人も増えてきて、『ワカメ』はサラダとしてスーパーで売られています。その名も『ワカメサラダ』。おいしくない。。。
そして、ドイツで見るワカメ、日本でいう茎ワカメだと思う。日本で一般的にいうワカメじゃないの。
アジア食材店で乾燥のワカメと昆布は買うことができます。それがすべて。めかぶとかひじきとか寒天とかないよぉ
例えば、海藻の乾物を水戻しするんじゃなくて、生ワカメとかモズクとかアオサとか食べたいよぉ ところ天も食べたいぞ。
実家は海沿いの田舎町。母方のおじさんが船で海に出て、春には大量の生ワカメを実家に届けてくれます。
それから、海藻からところ天を作って持って来てくれます。そのところ天が私が今まで食べた中で一番おいしいところ天!
海藻王国といわれる日本。海沿いの街で育った私は、無類の海藻好きなんです。近所にはところ天だけを売っているお店もあるんですよ。あぁ、故郷の味、海藻恋し。
恋しい日本の食材)第2位 山菜
ドイツには山菜を食す文化がないです。春が来たというにに。山菜の季節ですね。山菜の天ぷらが恋しいです。
子供の頃は、ゴールデンウイークあたりには、毎年、家族総出て山菜取りしていました。わらび、ぜんまい、ふきなど。家に戻って、母があく抜きをするのを妹と手伝いました。
大人になって、ちょっとおしゃれな和食のお店に行くようになって、タラの芽やウドを始めて食べたときの衝撃を今でも憶えています。
それ以降、春になれば必ず、近所の農協(農家から直接届いた野菜などを売っている直売所)へちょくちょく出向き、山菜を仕入れては、天ぷらやおひたしにして、家でも食べていました。
フキノトウやタケノコも恋しい私です。
フキノトウの甘味噌は、母の得意料理のひとつで、白いご飯に最高のお供です。
タケノコは実家の近くが産地で、毎春、頂きました。タケノコ料理専門店もあって、コースでたけのこ料理をいただくこともできます。
あぁ、山菜!!! 言い出すときりがないくらい、恋しいです。
恋しい日本の食材)第1位 魚
そして、栄えある第一位は魚 です。ドイツにも魚は売っています。でも、マリネと燻製が多いです。
ニシンのはドイツ全土で有名です。マリネとかサラダとか。ニシンの缶詰もたくさん。シーチキン(別の名前ですよ)もあるけどね。
もちろん、生の魚も売られていますが、近所のスーパーだと、サーモンとマグロの赤身、タラの切り身くらいかな。
我が家の近くには、週一で移動販売の魚屋がきます。故に、魚は新鮮なのですが。。。魚の種類が少ない。
ドイツで食べるサーモンは日本で食べるよりもおいしいと思う。マグロもある。でも、赤身だけ。それ以外に、ニシン、イワシ、サバ、スズキ、タイ、ヒラメなど見かけるけど、まぁ、高いです。
魚に限らず素材のまま食べることが好きな私。魚も生で食べたい。お刺身大好き。
それで、「生で食べられますか?」と魚屋で聞くのです。しかし、答えてくれないんですよ。自己判断で的な。
そう言われると、魚の目利きができない私は怖くて生で食べられない。一度だけ、勇気を出して、生のマグロの赤身を買って、お刺身で食べたことはあるけど。
私が子供の頃は、軽トラックに魚を積んで、おじさんが行商にきた。おばあちゃんが家にいて、魚を買った。妹はいつも、「アジが食べたい。」って言ってた。
私の故郷は海沿いの田舎町なので、ご近所さんが釣りに行っては、釣った魚を今も実家で暮らす両親に持ってきてくれる。イワシ、トビウオ、アジ、それから、高級魚のタイにいたるまでいろいろな魚がしょっちゅう届く。
父は魚を上手にさばくので、たくさん魚が届くと、お刺身、焼き魚、天ぷらといろいろな料理に早変わり。それを近所に住む妹の家にも配達。
ドイツにいる私はそれを聞いてはその光景を思い浮かべて、ため息が出ます。
私は、子供のとき、魚が苦手で、食べられなかった。なのに、今は、お魚がたいそう恋しい。
終わりに
今回は、ドイツで私が恋しい日本の食材についてお話しました。書いていて私が気が付いたこと。
恋しさのルーツは私の故郷。1位から4位までの『米』も『海藻』も『山菜』も『魚』の全部が故郷に関係していました。
それと、歳を取ったせいだよね、確実に。
海外で生活する日本の方も増えてきています。日本の食材がもっと海外市場に出回ることを願って! 今回は終わりにします。
読んで下さってありがとうございました。