ドイツに来てからめちゃくちゃ感じていること、日本にいるときに日本の文化教養を習っておけばよかったと。とほほ。
例えば、ひとりで着物を着られるみたいなのね。
日本では大学に勤めていたので、Word、Excel、Power Pointなどは、問題なく使えるし、それで十分だと思っていたの。
着物を自分で着られたり、茶をたてたり、花を生けたりと、そんなもの何の役に立つんですかって思っていました。
ドイツに住んで約5年。日本の文化教養のひとつでも習っておけばよかったなぁと痛感しています。
今回は、なぜ、私がそう思っているのかを聞けば、あなたも納得するはず! 将来、海外に行ってみたいと思っているなら、手遅れになってほしくないよ。
私がおすすめする文化教養5選の中から、ひとつでもよいから習得しとこ、ねっ
そうすれば、海外に住んでから、いろんな場面でそれがあなたを助けてくれること間違いなし!です。
おすすめ日本の文化教養5選
私がドイツに住んでから、これは習っておけばよかったと感じている日本の文化教養5選を紹介します。
着付け
私としては、着付けは一番習得しとけばよかったと感じています。
実は、こちらで日本茶屋を開けていました。過去形なのは、体調を崩してお店を閉めたからです。それは、さておき。
日本茶屋を開店するとき、オープニング・セレモニーを開きました。家族や知り合い、開店に向けてお世話になった方々を招待しました。
日本茶屋ですよ、日本茶屋。そのセレモニーにドレスってどうよって思い、着物を着ることに決めました。
私は一度も着物をひとりで着たことがありません。知り合いに着付けができる人もいたのですが、当日の招待客でもあり、頼みたくなくて。
私の母は、着物が大好きで、実家にはたくさんの着物があります。故に、私の母は着付け名人なのです。
その母から、着付けの本をもらっていました。それを見て、着物はなんとか着られたのですが、帯。帯。。。結ぶのむつかし過ぎる。
YouTubeで探したら、太鼓結びの動画があり、これが一番かんたんそうだったので、参考にすることにしました。
本番前日、動画を見ながら、帯を結ぶ練習を始めました。が、ややこしいの、分からぁ~んの。
結局、3時間もかかってしまいました。終わったら汗びっしょり、ぐったり。
一回きりでは、不安はあったものの再度、帯を結ぶ練習をする時間も体力なく、当日を迎えました。
結局、当日の朝は早起きして、帯を3時間かかって結び終えましたが、始まる前にすでにぐったり。
オープニング・セレモニーは無事終了したのですが、あのときほど、母に着付けを習っておけば良かったと思ったことはありません。
今からでも、本やYouTubeを見ながら習得すれば良いのではと思われるでしょう。でも、あなたが留学や移住をしたら、私のように他のことで手がいっぱいになってしまうと思います。
早めに習い始めて、すでに着物を自分で着られるようになっていれば、海外に住んだとき、ちょっとの外出に浴衣をささっと、パーティには留め袖でかっこよく。身についていれば、それがストレスになりません。
外国の方にもとても喜んでもらえますし、日本の伝統の紹介にもなります。一石二鳥なので是非!
茶道
着付けに続き、時点でおすすめは茶道です。茶の湯ね。
日本茶屋を経営していたとき、メニューにまっ茶と和菓子のセットがありました。思った以上に注文をいただいていました。
私自身は、茶道を習ったことがないので、作法は知りません。ただ、実家では、母がまっ茶を普段からいれてくれていたので、身近な存在ではありました。
そんなまっ茶好き、あるいは茶道に興味がある方から、
『ティー・セレモニー(茶の儀式)はしないの?』
とよく尋ねられました。そして、そのときも感じだわけですよ。習っておけばよかったなぁと。
とはいえ、免状を頂くほどに習いたかったわけではないですよ。私にはあの修業は無理だろう。時間もかかるみたいだし。
もちろん、本格的に習ったっていうなら、言うことなしなんだろうけど、外国の方に雰囲気を知ってもらうくらいの習得でよいのです。そうそう、高校や大学の部活動くらいの。
せっかく日本の文化に興味を持ってもらえているのに、私が紹介できなかったことがとても残念だったので、海外に住む前に是非!
華道
すなわち、生け花。
私は華道を小学生高学年の部活動で一年習った程度です。
私は花のある生活が好きです。だから、部屋の中にときどき花を飾ります。なんとなく生けています。
私は絵を描くとかデザインするのが大好きなので、それなりに生けられている気はしていますが、ちゃんと習った人とはやっぱり何かが違うと思います。
ドイツに来てから、華道を習った人に会ったのだけど、うんちく量が違います。これって、茶道も書道もそうなんだけどね。
生け方にも順番があるとか、マジ分かりません。
素人の私からしても分かることは、日本の華道は、「引いてなんぼ」ってイメージ。空間の作り方が大切。
反して、ドイツの華道は、華やか~なのね。「足してなんぼ」な感じがします。
私は、それっぽくは生けられるけど、どうしてそう生けるか知っていた方がより花たちをより美しく魅せられたのにと思うのです。
是非、海外に住む前に生け方や見方を説明できるくらいに、生け花を習得してみてください!
書道
私は書道も習っていたことがあるのですが、これも中途半端で止めてしまいました。
私の妹はずっと習っていて、定年退職後、書道の先生をしたいと言っています。妹の義母は70歳を超えた今も書道の先生です。
そんな環境で育った私の甥と姪(妹のふたりの子供たち)は書道を習って、きれいな字を書きます。
書道に関しては、字をきれいに書けるというだけでももうけものです。
さらに、書道を習得していたら、海外でいろいろなことができます。場所も取らないので、茶道や華道よりもしやすいですよね。
私は日本茶屋を開いたとき、看板やメニューを墨で筆を使って書きたかったのですが、無理でした。私が理想としていた字体は、伝統的な書体だったので。
海外では、漢字、ひらがな、カタカナが好きな人が思ったより多いのです。『愛』『友』『侍』などなど、Tシャツやタトゥーで見かけます。
例えば、書道した色紙をプレゼントしたり、はがきを送ったりしたら、喜ばれること間違いなし!です。下手くそな私の筆ペン書道でも喜んでもらえていますから。
是非、書道を趣味のひとつに習得してほしいです!
和楽器演奏(持ち運べるもの)
音楽は万国共通です。J-POPを知っている人も少なくありません。「和楽器バンド」も人気だし、「DRUM TAO」は毎年私が住んでいる街に来ます。オペラもバレエもコンサートも敷居がぜんぜん高くありません。
人が集まれば、歌ったり、楽器を弾いたり、踊ったりなイメージのイタリア人やスペイン人ほどではないにしても、楽器はできたほうがよいよね。
そんな中で、私が外国にいるなら出来たらよいと思う楽器は和楽器。
故に、私の一押し和楽器は、三味線! 時点で尺八(横笛も可)。琴だとか太鼓でもよいのよ。でもね、考えてみて。持ち運びが簡単にできないでしょ。だから、三味線が一押しなわけです。
もちろん、ピアノでもバイオリンでも芸は身を助けるよ。でもね、外国では日本情緒あふれる和楽器がおすすめ。
誰かと集まったり、招待されたりしたときに、ギターやバイオリンやフルートを持ってきて、演奏される人がいるのね。私はそんなとき、あぁ、私が三味線できたらなぁ って思うわけです。
今からでも遅くないから、挑戦してみてください。
日本の文化教養が海外在住者の助けになる理由4つ
さらに、日本の文化教養が身についていれば、お得なこともたくさんあります。
私がそう思う理由は4つです。
- コミュニケーションが広がる
- 喜んでもらえる
- 日本の文化を紹介できる
- 収入を得られる
それぞれにもう少し細かく説明をしますね。
コミュニケーションが広がる
確実にコミュニケーションの輪が広がります。
着物をきて歩けば海外ならどこでも目立ちます(目立ちたくない人は着ない方がよいです)。
話しかけられる機会も増えるし、いろんなところでいろいろな人と話す可能性がうん!と高くなるからです。
今、ニューヨークやパリやベルリンのような大都市から、まっ茶ブーム広がっています。
緑茶も健康によいからって飲み始める人が増えています。
私の住んでいるところは大都会でないけれど、まっ茶やまっ茶椀や茶せんは、お茶専門店のショーウインドウで見かけます。
これって、外国で茶道に興味がある人がいるから売られているのです。
茶道に限らず、華道や書道に興味がある人もいます。そういう人たちとのコミュニケーションを広げることができます。
喜んでもらえる
着物をきた姿で外国の方に会うととても喜んでもらえます。私にとっては、着物を普段から着るのは、時間もかかってハードルが高いので、浴衣なら。浴衣でも喜んでもらえます。
着物も浴衣も本当に柄がきれいで、芸術品として外国の方の目に映るようです。まっ茶をたてたり、花を生けたり、墨を使って筆で書いたり、これらもそれ自体が芸術なのです。
今まで知らなかったり、試したことがなかったりしたものを提供すると人に喜んでもらえます。私自身もそうしてもらえたときとても嬉しいですから。
日本の文化を知ってもらえる
日本はアニメや漫画で知られていますが、それ以外で何を知っているのかなと良く思います。
すしと照り焼きソースは既に世界の共通語のように用いられていますが、どちらも日本人が想像するのとは違っています。
また、日本人はすしをいつも食べていると思われているようだし、それ以外の家庭料理はあまり知られていません。
私もそうなのですが、名前を知っているからといって、中身を知っているかと問われれば、知らないことがたくさんあります。
だから、興味がある外国の方がいれば、正確な情報を教えてあげたいと思うのです。
これから海外へ留学しよう、移住しようと思っているなら、日本の文化教養を身につけて、向かった土地で紹介して日本を知ってもらえたらと思う次第であります。
収入を得られる
これは私が痛感していることです。スーパー体験談!
私は薬剤師免許を持っているのですが、ドイツでは役に立ちません。国際免許じゃないからです。
でも、着付け、茶道、華道、書道に長けていれば、教えるということを武器に収入が得られます。
ドイツならどの街にもほとんどVHS(市民講座)があります。私の知り合いはそこで茶道を教えています。羨ましい限りです。
三味線は、習いたい方がいた場合、楽器を提供できないと教えることで収入を得ることはできないけれど、コンサートを開くことはできます。
『芸は身を助く(一芸あるとそれで収入を得られて生活を助けられるという意味)』
納得ですよね。
終わりに
いかがでしたか?
今回紹介した日本の文化教養は別に極めなくてもよいのです。海外で紹介できる程度に自然に身についていれば。
例えば、こんな感じで。
- 着付け → 招待されたら着物で訪問する
- 茶道 → 自宅に招待して抹茶をたてる
- 華道 → 生け花や書で部屋を飾れば、訪れた外国の方もうっとり
- 書道 → 筆で書して季節のたよりを出す
- 和楽器演奏(楽器は持ち運べるもの) → お近づきのしるしに和楽器を奏でる
そして、人に教えれば、臨時収入も見込めます。本気になれば、○○教室もありですよ。
日本の文化教養は身を助ける。これ間違いないです!
もちろん、日本にいても日本の文化教養を習うことはよいことです。姿勢もよくなるし、気持ちもりんとするし、健康にも精神的にも効果ありですよね。
是非、忙しいって言ってないで、時間をみつけて習得してみてくださいね。