こんにちは、ソラです。
こう見えてワタクシ、理学博士です。時間と苦労して40歳前半でやっと学位を取得しました。そうまでして取ったのに、今、まったく役に立っていません。
博士号は足の裏の米粒です。
足の裏の米粒とは、簡単に言えば、「米なのに食えない」、つまりは「持っていても生活の役には立たない」ってことです。
私に当てはめると、「博士号はドイツ移住した私には役に立たない」ってことです。
博士号が足の裏の米粒な理由3つは以下のとおり。
- 博士号はただの証書に過ぎない
- 博士号を持っているとつぶしが利かない
- 博士号は海外では役に立たない
しつこいようですが、日本に居続けたらまだしも、50代でドイツ在住の私には博士号はまったく意味を成しません。
そんなものより人生に必要なものが他にあったと今、気が付いても後の祭り。
今、必死で博士号を取ろうとしている方に伝えたい!
ポスドク(ポストドクターの略:博士号を持っているけど非正規雇用の研究者)の方に伝えたい!
博士号を持っているすべての人に言いたい!
博士号を利用して仕事を探すだけが人生だと思ってはダメです。
そう思い込んで歳を取ってしまうと今の私みたいに後悔しますよ。今、直ぐに将来についてよく考えてみてください。
私のようになってほしくない。今回は、博士号が足の裏の米粒な理由をお話しします。
なぜ、私が博士号を取ったのか?
博士号は足の裏の米粒と断言する3つの理由をお話する前に、ひとつ、話をさせてください。
なぜ、私が博士号を取ったのか?
一言で答えれば、時の流れによる大学の意向でした。
私が大学に就職したのは年号が平成になって間もないころ。当時は、学部卒でも大学に職員として永久就職できました。
就職して数年後、大学の教員採用が任期付きになり、採用に博士号取得に条件が付けくわえられました。
そのあおりを受けて、大学内でも博士号を持たない教員は肩身が狭くなってきました。大学のトップからも博士号を取るよう促されることに。
それで、私も理学博士を取得したわけなのですが。。。
それでは、博士号が足の裏の米粒な理由3つを深堀りしていきます。
博士号はただの証書に過ぎない
当時を振り返ります。私は40歳を過ぎて博士号を取りましたが、その後、別段何も変わりませんでした。
研究内容も仕事内容も。ただ、大学で教員として働いていくなら、博士号は持っていて当たり前でしょ的なことへの対策だっただけ。
結局、博士号なんてただの紙切れに過ぎないのです。そんなものがなくたって、研究成果を上げた結果として論文を書いて発表する。それから、教育に関しても真摯に向き合う。
そういうことで評価すべきなのです。博士号を取った後、研究もせず、教育もほどほどに定年まで在籍では日本の大学は腐ってしまいます。
残念ながら、大学教員になりたければ、博士号を取得することがお決まりの日本では取るしかありませんが。あるいは、すでにすばらしい研究成果をあげているとか。
博士号に限らず、今の日本の社会は、肩書きや資格を基準に人を判断しすぎです。大学教員として採用されるには必ず必要になっている博士号。要りませんよ。
少子化でどの大学も学生を欲しがっています。他大学から有名大学の博士課程への進学も昔ほど難しくはありません。
そのため、博士号の価値が落ちまくっているという現代において、それってその人の能力の証明になりますか。
そんなわけで、私の場合、とならければならない現状を突き付けられ取ったものの、今思えば、要らないものだったのではと思う次第です。
博士号を持っているとつぶしが利かない
博士号って、博士論文を提出し、審査が通れば、博士号をいただけます。それで、多くの博士号取得者は、民間の研究所、研究機関、大学機関などにお勤めします。
それは、理想なのでしょうが、日本は博士号取得者に対しての就職先の受け皿が少な過ぎます。
結局、どうしても研究にしがみつけばポスドク人生になったり、博士号がなくてもできる仕事に就くことになりますよね。
最悪の場合、博士号が邪魔をして就職先に敬遠されてしまうこともあります。
そう考えると、まったくもってつぶしが利かない。むしろ持っている方が重荷になります。
私自身、博士号を取るための過程は貴重な経験だったけど、日本にいて、大学に居たら、博士号は取るのが当たり前と深く考えずにそれに私は従ったけど、私に本当に必要だったのかという話。
あなたには博士号、本当に必要ですか?
博士号は海外では役に立たない
これは、今の私が一番感じていること。
否、ノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏のように素晴らしい研究成果を上げていれば、40歳を超えてからも海外の大学から教授のポストを得ることは難しくないでしょう。
しかし、私のような50歳無職の凡人にそんな道は海外ではないと思った方がよい。
凡人のワタクシ、ソラは50歳を超えてから、ドイツに移住した。研究者としての人生には見切りをつけて、日本茶屋を開くも健康を害して閉店。
で、今、さてどうしようとなったときに、一旦研究畑を退いた、それも50歳凡人の元研究者に大学職員としての就職など日本でも難関、ドイツでは最難関なのである。
日本もドイツも若者が博士号取得後、就職難民になっている時代に50歳越えのおばちゃんに席を空けてくれるわけもない。
もし、海外に研究職で将来でたいなら、博士号をあてにするのではなく、研究成果をバンバン上げまくって、論文をバンバン発表しよう。ノーベル賞とはいわないまでも、その分野でそれなりの成果をね。
でも、そんな研究者、何人いるかな?
そんなわけで、私としては、大学教員として働きだして、研究しかしてこなかったので、今、ドイツで活かせるスキルが何もないのです。
死ぬほど研究が好きで一生その世界で生きていくと100%自信があれば、若いうちに博士号を取って、大学教員になって、研究人生をまい進してほしい。
石にかじりついてもその道をまい進する。その覚悟で。とし取ってからも貧乏でもがんばれ。
そこまでの覚悟と根性と勇気がないなら、よい意味での逃げ道を作っておきましょう!
逃げ道 = スキル
人生って本当に何か起こるか分からないの。だから、もしものことを考えて、収入を得る別の手、ちゃんと今のうちに考えてね。
終わりに
今回は、今の私の心境そのままを書きました。
博士号が足の裏の米粒だと思う理由3つ、納得していただけたでしょうか。
まだ、あなたが学生なら、今、たくさん時間があるはず。クラブ活動や飲み会も大事かもしれないけれど、スキルアップに時間とお金を使いましょう。
大学院生なら博士号取得中なら朝から晩まで研究どっぷりで時間を探すことは難しいと私には分かります。それでも言いたい。
時間を割いても、今のうちにもしものときに使える別のスキルを身につけましょう。
博士号をとっても自己満足に過ぎなかった。なんの役に立たないと思うときがくるかもしれませんよ。
今直ぐ行動しましょう。
今回もお付き合いありがとうございました。